Last Updated on 2026年6月2日 by zgurdu
「住宅設備の営業は稼げる」と聞くと、歩合給やインセンティブの話が先に出てきます。
たしかに、営業職なので成果が収入に反映されやすい仕事です。
でも、現場で長く見てきた感覚では、稼げる人は単に押しが強いわけではありません。
佐伯亮と申します。
リフォーム会社で住宅設備の営業を経験したあと、太陽光発電、蓄電池、エコキュートなどの提案現場を取材してきました。
住宅設備の営業は、商品知識だけでも、話のうまさだけでも続きません。
お客様の家計、暮らし方、工事後の使い勝手まで見て提案できる人が、結果的に数字を積み上げていきます。
この記事では、住宅設備業界で稼げる営業に共通する条件を、現場寄りの目線で整理します。
これから住宅設備や省エネ商材の営業に転職したい人、今の営業職から収入を上げたい人には、会社選びのヒントにもなるはずです。
目次
住宅設備営業の収入は「一部の天才だけ」の話ではない
近い職種のデータを見ると、収入の土台は高め
住宅設備営業そのものの公的な年収データは細かく分かれていません。
ただ、近い職種である住宅・不動産営業のデータを見ると、収入の土台は低くありません。
厚生労働省の職業情報提供サイトに掲載されている住宅・不動産営業の統計では、令和6年賃金構造基本統計調査を加工した全国の年収が618.3万円とされています。
有効求人倍率も全国で3倍と出ており、人材需要のある職種です。
詳しくは厚生労働省の住宅・不動産営業の職業詳細が参考になります。
もちろん、住宅・不動産営業と住宅設備営業は同じ仕事ではありません。
それでも、住宅に関わる営業職は、基本給に加えて売上に応じた歩合給がつく場合があり、成果と収入が結びつきやすい構造があります。
ただし、稼げる人と続かない人の差も大きい
住宅設備の営業は、商材が高額です。
太陽光発電、蓄電池、エコキュート、オール電化。
どれも家庭にとっては大きな買い物です。
だから、勢いだけで売れる期間はあっても、長くは続きません。
お客様は比較します。
家族にも相談します。
補助金や電気料金、保証、工事の安全性まで調べます。
稼げる営業と続かない営業の違いを、かなり単純化するとこうなります。
| 見るポイント | 稼げる営業 | 続かない営業 |
|---|---|---|
| 提案の入口 | 暮らしの困りごとから入る | 商品の説明から入る |
| 数字の使い方 | 電気代や使用量を一緒に見る | カタログの性能だけを話す |
| 契約までの進め方 | 家族の不安を一つずつ消す | その場の決断を急がせる |
| 工事後の意識 | 設置後の使い方まで見る | 契約で仕事が終わる |
| 収入の伸び方 | 紹介や再相談が増える | 新規だけを追い続ける |
住宅設備営業で本当に強い人は、短期の契約数だけでなく、後から相談される関係を作っています。
この差が、半年後、1年後の収入に出ます。
条件1:家の困りごとを数字で聞ける
商品を売る前に、毎月の電気代を聞いている
稼げる営業は、最初から「この蓄電池がおすすめです」とは言いません。
まず、お客様の生活を聞きます。
- 電気代は月にいくらか
- 日中に家にいる人はいるか
- 給湯器は何年使っているか
- 太陽光発電は設置済みか
- 停電時にどの家電を動かしたいか
- 将来、同居や子どもの独立で電気の使い方が変わるか
こうした話を聞かずに商品を勧めると、提案が外れます。
たとえば、日中ほとんど家にいない家庭と、在宅時間が長い家庭では、太陽光発電や蓄電池の使い方が変わります。
給湯の使用量が多い家庭なら、エコキュートの導入メリットが見えやすい。
災害時の備えを重視する家庭なら、蓄電池の説明で刺さるポイントも違います。
売れる営業は、商品の話をする前に「この家では何が困っているのか」を数字でつかみます。
ここが最初の条件です。
補助金や制度を、自分の言葉で説明できる
住宅設備の営業では、制度の話も避けて通れません。
補助金が使えるかどうかで、お客様の負担額は大きく変わります。
2026年は、国土交通省、経済産業省、環境省の3省連携による住宅省エネ2026キャンペーンが動いています。
公式サイトでは、新築とリフォームを対象にした4つの補助事業で家庭部門の省エネ化を促進すると説明されています。
最新の対象工事や進捗は住宅省エネ2026キャンペーン公式サイトで確認できます。
ここで差がつくのは、制度名を暗記しているかどうかではありません。
お客様の家で、どの工事が対象になりそうか。
申請は誰が行うのか。
予算に達したらどうなるのか。
このあたりを、専門用語を使いすぎずに話せるかです。
国土交通省の報道発表でも、住宅省エネ2026キャンペーンの交付申請は2026年3月31日から順次開始とされています。
申請は消費者本人ではなく、住宅事業者などが行う仕組みです。
この点も国土交通省の報道発表に明記されています。
「補助金がありますよ」だけでは足りません。
稼げる営業は、「この家なら何を確認すべきか」まで落とし込みます。
数字を出すほど、無理な営業をしなくて済む
住宅設備営業で強い人ほど、強引に売りません。
数字を見せれば、お客様自身が必要性を判断しやすくなるからです。
たとえば、こんな説明です。
- 今の電気代が月2万円前後なら、年間で約24万円かかっている
- 太陽光発電がある家庭では、昼に余った電気をどう使うかで損得が変わる
- 古い給湯器を使い続けると、故障時に急な出費と生活不便が重なる
- 災害時に冷蔵庫、照明、スマートフォン充電を守りたいなら、蓄電池の容量を逆算する
数字があると、お客様は冷静に考えられます。
営業側も「今だけ安いです」と煽らなくていい。
住宅設備は長く使うものなので、納得して契約したお客様ほど、後からの満足度も高くなります。
条件2:契約までの流れをチームで見られる
住宅設備営業は一人で完結しない
住宅設備の仕事は、営業だけで完結しません。
アポイント、ヒアリング、商談、契約、現地確認、施工、アフターフォロー。
いくつもの工程がつながっています。
この流れを理解している営業は強いです。
自分の担当だけを見ている人より、次の工程で何が必要になるかを先回りして考えられます。
たとえば、採用情報を見ると、会社によって営業工程を分けているケースがあります。
実際にエスコシステムズの採用情報にある分業制の説明では、アポイント取得、ヒアリング、契約担当のように段階ごとに役割を分ける体制が紹介されています。
このような分業制では、自分の役割で得た情報が、次の担当者の成果に直結します。
稼げる営業は、ここを理解しています。
自分だけが目立つのではなく、チーム全体で契約に近づける。
その結果、自分の評価やインセンティブにも返ってきます。
次の担当者が動きやすい情報を残している
営業で収入を伸ばす人は、情報の渡し方がうまいです。
お客様の言葉を、そのまま次の担当者に伝えます。
| 残すべき情報 | なぜ必要か |
|---|---|
| 電気代や使用時間帯 | 提案する設備の容量や組み合わせを考えるため |
| 家族が気にしている点 | 商談で不安を先に解消するため |
| 予算感と支払いへの不安 | ローンや補助金の説明を準備するため |
| 現地で気づいた工事上の懸念 | 施工トラブルを避けるため |
| 決裁者が誰か | 商談の場に必要な人を確認するため |
これを雑にすると、商談担当がゼロから聞き直すことになります。
お客様からすれば「さっき話したのに」と感じます。
その時点で信頼は少し落ちる。
逆に、前の担当者が聞いた内容を商談担当がきちんと把握していると、お客様は安心します。
「社内でちゃんと共有されている会社だな」と感じるからです。
この安心感は、契約率にかなり効きます。
未経験者が伸びる会社には、営業の型がある
住宅設備営業は、未経験から入る人も多い仕事です。
接客、販売、飲食、配送、事務。
前職はいろいろあります。
未経験者が稼げるようになる会社には、だいたい営業の型があります。
商品知識を覚えさせるだけでなく、現場で何を聞くか、どんな順番で話すか、どのタイミングで次の担当へつなぐかが整理されています。
厚生労働省の職業情報提供サイトでも、住宅・不動産営業では土地・建物についての専門知識を積極的に習得する必要があると説明されています。
住宅設備営業でも同じです。
最初から完璧な知識を持っている必要はありません。
ただ、学ぶ仕組みがある会社に入らないと、個人の根性頼みになります。
根性だけで数字を作る営業は、疲れます。
型を覚えて、改善して、経験を積む。
そのほうが収入は安定します。
条件3:信頼を崩さず、長く付き合える
強引な営業は、短期では売れても残らない
住宅設備の営業では、強引な売り方をしてはいけません。
これはきれいごとではなく、収入を長く伸ばすためにも必要です。
太陽光発電や蓄電池、給湯器は、訪問販売とも関わりが深い商材です。
訪問販売には特定商取引法のルールがあります。
消費者庁の特定商取引法の案内を見ても、事業者と消費者のトラブルを防ぐための制度として位置づけられています。
お客様を急かす。
不安を煽る。
比較する時間を与えない。
こういう営業は、たまたま契約が取れても後で揉めます。
クーリングオフ、キャンセル、悪い口コミ、紹介の停止。
結局、収入も安定しません。
稼げる営業ほど、断られる余白を残します。
その場で決めてもらえなくても、資料を置いて、質問に答えて、家族で話し合ってもらう。
それで戻ってくるお客様は、契約後も関係が良いです。
アフター対応まで見ている営業は紹介が出る
住宅設備は、売ったら終わりではありません。
設置してから何年も使います。
太陽光発電なら発電状況、蓄電池なら停電時の使い方、エコキュートなら給湯の不具合。
使い始めてからの相談が必ず出ます。
エスコシステムズの公式サービス紹介でも、エコキュート、太陽光発電、蓄電池などの販売や設置、アフターメンテナンスに触れられています。
住宅設備の提案では、こうした販売後のサービス範囲を見ておくことも大事です。
営業個人でできるアフター対応には限界があります。
それでも、「何かあったらどこに連絡すればいいか」を契約前に伝えるだけで、お客様の安心感は変わります。
紹介が出る営業は、契約直後の対応が丁寧です。
工事日程の連絡、当日の注意点、設置後の使い方、保証書の保管場所。
こういう地味なところで信頼を積んでいます。
稼ぐ人は、商談後の記録が細かい
営業の数字は、商談中の話し方だけで決まりません。
商談後の記録で変わります。
- どの資料に反応したか
- 家族の誰が前向きだったか
- 予算の上限はどこか
- 工事で気にしている場所はどこか
- 次に連絡する日を約束したか
この記録がある営業は、次の連絡が自然です。
「先日、奥様が停電時の冷蔵庫を気にされていましたよね」と言える。
お客様からすると、ちゃんと覚えてくれている人です。
記録がない営業は、毎回同じ説明になります。
それでは関係が深まりません。
住宅設備は高額商材です。
契約までに複数回の接点があることも多いので、記録の差がそのまま契約率の差になります。
稼げる営業になれる会社を見分けるポイント
給与額だけでなく、評価の仕組みを見る
求人を見るとき、年収例やインセンティブ額に目が行くのは自然です。
ただ、そこだけで判断すると失敗します。
見るべきなのは、どういう成果に対して評価されるかです。
| 確認する項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 基本給と歩合の割合 | 生活の安定性と収入の伸び方を読むため |
| インセンティブの発生条件 | どの工程の成果が評価されるかを見るため |
| 研修期間中の給与 | 未経験でも生活を崩さず学べるかを見るため |
| 昇格の基準 | 長く働いたときの収入上限を考えるため |
| 残業と休日の実態 | 稼げても体が持つかを判断するため |
高収入の求人でも、評価の仕組みが曖昧なら注意したほうがいいです。
反対に、基本給、歩合、研修、昇格の流れが具体的なら、働く側も目標を立てやすい。
会社概要で施工と保守の範囲を見る
住宅設備営業で伸びたいなら、その会社がどこまで自社で関わっているかを確認してください。
エスコシステムズの会社概要には、電気工事業にかかる設計、施工、保守や、太陽光発電システムなど住宅用エネルギー機器の販売、取付工事の施工、保守が事業内容として記載されています。
営業職として働くなら、販売だけでなく施工や保守の領域がある会社かどうかは見ておきたいところです。
なぜなら、施工や保守を知るほど提案の質が上がるからです。
工事で起こりやすい問題を知っていれば、契約前に説明できます。
アフター対応の流れを知っていれば、契約後の不安も減らせます。
売るだけの営業で終わるか。
住宅設備の全体を見られる営業になるか。
ここは会社選びで大きく変わります。
面接では、かなり具体的に聞いていい
未経験で応募する人ほど、面接で遠慮しがちです。
でも、住宅設備営業は入社後のギャップが出やすい仕事です。
聞くべきことは聞いたほうがいい。
- 入社後、最初の3か月はどの業務を担当するのか
- アポイント、ヒアリング、契約は分業なのか
- インセンティブは誰の成果に対して発生するのか
- 商品知識の研修は座学だけか、同行もあるか
- 工事後のお客様対応に営業はどこまで関わるのか
- 未経験から成果を出している人の前職は何か
この質問に具体的に答えられる会社は、育成の仕組みがある可能性が高いです。
逆に「やる気しだいです」ばかりなら、入社後に自分で何とかする部分が大きいかもしれません。
住宅設備営業に向いている人、向いていない人
向いているのは、聞くのが苦にならない人
住宅設備営業に向いているのは、話すのがうまい人だけではありません。
むしろ、聞くのが苦にならない人です。
お客様の家計の話、家族の話、将来の不安。
住宅設備の提案では、かなり生活に近い話を聞きます。
そこで急いで商品説明に入らず、相手の言葉を待てる人は強いです。
接客や販売の経験がある人は、この点で有利です。
飲食店、携帯販売、家電量販店、ホテル、配送。
前職が違っても、人と接する中で相手の困りごとを拾ってきた人は、住宅設備営業でも伸びやすいです。
向いていないのは、短期の数字だけを追いたい人
反対に、短期の数字だけを追いたい人には向きません。
住宅設備は、契約後に工事があります。
保証もあります。
使い方の説明もあります。
売った後の責任を面倒だと感じる人は、いつかトラブルを抱えます。
お客様からの電話を嫌がる人も厳しいです。
住宅設備は生活インフラに近いので、困ったときの連絡は避けられません。
稼げる人は、売った後も逃げません。
全部を自分で解決するわけではなくても、社内の担当者につなぎ、お客様に状況を返す。
その積み重ねが次の紹介につながります。
まとめ
住宅設備業界で稼げる営業には、共通する条件があります。
- 家の困りごとを数字で聞ける
- 契約までの流れをチームで見られる
- 信頼を崩さず、長く付き合える
歩合給やインセンティブは、たしかに魅力です。
でも、収入を長く伸ばす人は、無理に売り込むより、生活の数字を聞き、制度を説明し、工事後まで見ています。
住宅設備は、お客様の暮らしに長く残る仕事です。
だからこそ、誠実にやる人が強い。
きれいごとに聞こえるかもしれませんが、現場を見てきた僕の実感では、最後はそこに戻ります。
転職先を選ぶなら、給与額だけでなく、研修、分業体制、施工や保守への関わり方まで見てください。
稼げる営業になりたいなら、まず「売った後まで見られる会社か」を確認する。
ここを外さなければ、住宅設備営業はかなり面白い仕事になります。



